俺とメタルギアの29年 そのいち
Gamesparkにこのような記事が掲載されてしまって、血がうずくわけだ。
というのも7/13は初代MSX版メタルギア発売日で、今年で29周年なのであったりする。
MGSVをクリアしたころに書き溜めていたものをベースにちょっとまとめておく
当時敬虔なMSXユーザーだった俺は「おまえんちのグラディウス、画面ガックガク」「でもお前のファミコン版と違ってレーザーすげえ長いし!」などという不毛な争いに辟易していた頃に話は遡る。
Windowsが出る以前から尊敬する人物はビル・ゲイツだった俺はMSXという規格のコンピュータを複数台所持していた。その当時のコナミはMSXユーザーから絶賛される数少ないゲーム供給元であり、とても攻めているメーカーだった。
コナミが頑張っていたおかげで当然MSXオリジナルタイトルの「メタルギア」に注目が集まる。MSXだけでしか遊べないという変な優越感。しかしそれは裏を返せばメタルギアがどんなに斬新なゲームでも知ってる奴はほぼいないという都市伝説レベルの存在でもあった。
ある意味必然の出会い「メタルギア」
世界で初めてスニーキングアクションというジャンルを開拓したゲームで、途中手に入るアイテムを駆使してストーリーを進めていく。当時はまだステージクリア型のゲームが主流で、ストーリーは説明書で補完したり、そもそもプレイする上でストーリーはあまり意識する必要はなかったように思う。
手に入るアイテムを駆使してストーリーを進めるのはパソコンのゲームでは主流の「アドベンチャーゲーム」といわれるジャンルで、それに戦闘を含んだアクション操作が加わっているのは当時ではそれだけでかなり斬新だった。
何よりも戦争アクションなのに、最初の潜入シーンでは不気味なBGMと共に「コチラ、ビッグボス…メタルギアヲハカイセヨ」のメッセージから始まるのだ。テンション高めなファンファーレで開始していきなりドンパチが始まると思っていたのに。
データをセーブするのにデータレコーダー(カセットテープ)を使わなければならないので、ポーズしたまま1週間位MSXの電源を入れっぱなしにしていた。何度もセーブするとテープがノビてしまうからだ。
煙草を吸う主人公、当時まだ少なかったじっくりと腰を落ち着けてプレイすべき物語、でも基本はアクションという、とても大人なゲームだった。
オリジナル版は主人公ソリッドスネークの装備品の中に「ラッキーストライカー」という煙草があり(銘柄名がついたのはMG2から)、そのものズバリなパッケージデザインというおおらかな時代で、その印象のせいかどうかは不明だが、今でも俺さんの装備品によく似たパッケージが常にあったりする始末だ。
そして続編メタルギア2
物語もアクションもギミックもグラフィックもすべてがパワーアップした、当時の状況を考えれば化物のようなタイトル。
ゲームにオープニングがついてる!パッケージのウラを見ろとか言われる!電源切れとか言われる!床の素材によって足音が出たり出なかったり、「パッケージの裏に書いてないか?」や「今すぐMSXの電源を切れ!」など、後のシリーズでも使われるギミックはここから始まった。そしてこのタイトルフォントはMGS2からPWまで同じものが使われている。
あまりの面白さにMSX本体ごと友人に貸しまくるという暴挙に出る俺さん。最後にはカートリッジが行方不明になるという悲しい別れも経験する。(家にパッケージだけ残るってほんと悲しい)
そしてこのオープニングのおかげで「小島秀夫」という人を意識するように。
スネーク、立体になる「METAL GEAR SOLID / INTEGRAL」
もう世の中がメタルギアというゲームを忘れ去っていた頃まで時は流れる。
唐突に発表された「メタルギアソリッド」。
この当時はプレイステーションとセガサターンという2つのハードに東西は二分された分かれていて、俺さんはバーチャファイターにドップリと浸かっていたことから所持ハードはセガサターンのみ。
バイオハザードだってサターンで出たんだ、メタルギアだって出るさ!と今思えば疑うべきだった淡すぎる期待を抱え、PSでMGSがリリースされたという事以外の情報をシャットアウトし、ファミ通の発売予定ページだけを確認する日々が続いた。
この頃、あとから出るハード用には先に出たオリジナルよりちょっとだけ豪華になる事が多かった。そんな期待も込めて延々とバーチャファイター2をプレイする日々(いや他にもいろいろ遊んだけど)しかし待てど暮らせどサターン版MGSは出ない。
リリースから数年経って諦め(ときめきメモリアルはサターンで出たのに!)PS版MGS、しかもインテグラルを購入。
立体になったスネークが紡ぎだす物語はまさに潜入!ていうかみんな喋る!そして後日、オリジナル版も購入して初の日本語音声に震える。
中にはMG/MG2でやったネタをもう一度やったりとかして、小島監督はMSXの時からのファンの事も考えてくれているんだなと思ったり。
思いっきり騙された「METAL GEAR SOLID 2」
あまりに綺麗に終わってしまったMGSに続編が出るとは正直思っていなかった。
この頃から事前情報をかき集めてストーリーの予想などが盛んになってきていたが、とんでもないフェイクが含まれていた。元々メタルギアのストーリーラインは嘘と欺瞞がからみ合っていたが、まさか完成前のトレイラーで騙されるとは思っていなかったのだ。
プラットフォームがPS2になり、期待以上にグラフィックがハイクオリティに。もちろん公開されたトレーラーはまるで映画のように期待と興奮をもたらした。
はいこのトレーラー完全に騙しです。
セリフをわざとへんな風に繋げておかしな意味をもたせたり、本編では一切使われてない場面が出てきたり。で、この予告を最後に発売日まで一切情報を出さないという徹底ぶり。
いざ発売してみたら、主人公変わってるし!
あのトレーラーで見たシーンは本編では………だったし!
で、これあまり話題にならないんだけど、このMGS2、読み込み待機時間がすごく短い。(後日リリースされたANUBIS Zone of Enderはもっとすごい)
テレビのCMを見たりしながらひとりで盛り上がってた。
この頃実はPS2を持っていなくて、トレイラーとCMだけ見てぐぬぬってなっていたのでした。後日、PSXという時代が産んだ徒花みたいなハードを買ってしっかり堪能させていただきました。
---つづく。