俺とメタルギアの29年 その3
サラっと書くつもりが3回に分けるハメになってしまった……。
それだけこのシリーズについて愛情を持っているし、メタルギアから教わった事も多い。
というわけでシメいってみよう!
METAL GEAR SOLID2 BANDE DESSINEE
「メタルギアはどこにある?この基地内に収容されているんじゃあないのか?」
「メタルギアREXは地下のメンテナンスベースだ、通信タワーの北側にある。」
前述のアシュレイ・ウッド氏のデジタルコミックをDVDで観て楽しむもの。MGS1とMGS2が収録されていて、セリフはもちろん日本語音声。
早い話がちょっと芸風が変わったアニメDVDという感じ。メタルギアってどんな話なんだろー?って人にはオススメできます。(もちろんMGSが好きな人にも)
あ、言っておきますが両方あわせてトータル5時間あります。
メタルギア ソリッド 2 バンドデシネ(DVD VIDEO)
- 作者: DVD≪期間生産限定版≫
- 出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント
- 発売日: 2008/06/12
- メディア: Video Game
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内容はゲーム本編と若干変わっていますが改変というよりも修正という感じ。
アシュレイさんの絵はすごい勢いがあってカッコイイんだけど、女性を書………誰か来たようだ。
METAL GEAR RISING Revengence
もうひとりの主人公、雷電を主役にしたスピンオフ。
時系列ではMGS4のあとのお話。
一度は小島プロダクションで制作されていたが、開発はプラチナゲームズになり「隠れないメタルギア」になる。(いやステルス要素はあったけどね)
これはMGSファンの間では賛否両論なリアクションだったけれど俺さんは大好き。従来のシリーズがコース料理なら、コイツは激辛とでも言おうか。
バッサバサと敵を切り刻むアクションは爽快。
なんだかんだ毎年メタルギアで遊べるのはいいものだなと思いながらとても楽しんでプレイした。
でもあのラスボスは度肝を抜かれた。
だって説明書に載ってないんだもの!
The Phantom Pain (by Moby Dick Studio)
2012年に突如公開されたこのトレーラーは無名の開発会社MobyDick Studioのデビュー作というフレコミであって、MobyDick Studioの公式サイトまで出来上がっていた。
もう普通に「なにこれ面白そう」というのが自分の感想で、直後から「これメタルギアちゃうんかい」と世界各国のファンが真相究明に乗り出す始末。
↓
結果、やっぱりこれメタルギアやんけ!と。
ゲーム以外でもこんなに楽しませてくれたわけです。(ていうか絶対監督も楽しんでやってる)
METAL GEAR SOLID V GroundZeroes
ついに「V」が始まる!
MGS:PWから地続きなストーリー。まさにPWが終わった直後から話は始まる。これが「5」の序章(グランツーリスモ・プロローグみたいな)だと解っていたので「どうせ本編が出るときは本体セットが出る!」と思ってPS4ではなくPS3で購入。
1時間ちょいでクリアできる序章だけれど、クリア後にお楽しみミッションが追加され、ついに小島監督がポリゴン化されたりする。
そして、深くプレイするとドス黒いバックストーリーが露わになっていく。
で、ここまではよかった。
この頃はTwitterやYoutubeチャンネル「コジステ」で絶えず情報発信がなされていたので本編である「V」の発売まで楽しんで待つことが出来たのだけど
2015年はMGSファンにとって現実とゲームがリンクしたかのような試練の年となった。
コナミのウェブサイトから突如、既存タイトルのパッケージ上にある「HIDEO KOJIMA GAME」の表記が消されるという事件が起こった。
同時に小島プロダクションポータルサイトはメタルギアポータルと名称&デザイン変更され、Youtubeはもちろん、関係者のTwitterまでも更新されなくなった。
実際には小島監督のTwitterだけは更新されていたが、無言のリツイートのみ。
本当にMGSVはリリースされるのか、リリースされたとして今までのファンが納得できるものなのか。
全世界のファンがそう思いながら不安な半年間を過ごしただろう。
もちろん俺さんもそのうちの一人だ。
METAL GEAR SOLID V Phantom Pain
ついにその日が来て、我が家に赤いPS4が届く。
メタルギアサーガの最大の謎は、MGS3、MPO、MGS:PW、そしてこのMGSVに登場するビッグボス(=ネイキッド・スネーク)が何故、ソリッドスネークと敵対し、世界を破滅させようとしてきたのか、である。
ビッグボスのキャラクターは表情も感情も豊かでほんの少しスケベで気の利いた会話ができる愛すべき男だ。
確かに彼は今までのシリーズで散々裏切られたり悲しい想いをしていたが、(ゲーム化されてるだけで)3度も核戦争を回避し世界を救っている。
それが何故近未来MGSの主人公ソリッド・スネークの因縁の宿敵になったのか。
そしてこの「V」はとても重たい、重たすぎるテーマが根底にあった。
なんというかこの「V」はどのメタルギアとも違っていた。途中まではいつものメタルギアなのだけれど、ある程度決着がつくと「さーここからは好きに遊んでー」って突き放される。スタッフロールがゲーム中盤に流れてしまうからだ。
そのあとは同じステージをやりこんでいくカタチになってしまう。
後にも先にも行かない、ループする世界に変わってしまう。
もちろん数々の後日談的なエピソードも挟まれるが、もうここでメタルギアは続かないけどずっと遊んでいられる何かに変貌してしまった。
その後、噂のいくつかは裏付けされ、小島プロダクションはコナミの中では解体されていて、小島監督もコナミを退職した。
すべてのメタルギアを形は違えどリアルタイムで体感していた俺さんにも幻肢痛(Phantom Pain)ができてしまった。
メタルギアから教えられた事は多い、世界を取り巻く抑止力とはどういうものか冷戦時代とはなんだったのか。
運命にというものに縛られてはいけないという教訓だったり、たとえ自分が死んでも語り継がれて後世に伝えるべきものはあるとか、足音を立てない歩き方から目玉焼きのおいしい焼き方まで。
MGS:Vがリリースされた年は他にも俺さんに様々な事があり、喪失してばかりだった。いや正確に言えば、MGSVがアナウンスされてリリースされるまでの期間、シンクロするように様々なものが抜け落ちていった。
2015年末、小島監督は独立して「KOJIMA PRODUCTION」を設立。
俺さんもメタルギアに感謝しつつ、失ったものを取り返すだけでなく新しい俺さんを作り上げていきたいなと思うのでした。